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大学入試改革・記述式 賛成意見が見つからない件

  • 2019年11月27日
  • 2020年5月12日
  • 大学
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2021年大学入試共通テストにて英語の民間試験の導入が延期されました。
しかし数学や国語においての記述式試験については現状のままとされています。

受験生を門前払いする二段階選抜では、国語の記述式の成績を判断材料にしないように要請する検討を始めたということですが、これを聞いてはぁ?と思ったのは私だけじゃないはず。
判断材料にできないような試験をこのまま採用するのでしょうか?

採点者を一万人採用する、その中には学生アルバイトの可能性もあるということです。
素人が考えても公平性が保てるとは思えない…。受験する高校生よりも学力の低い大学生だっているでしょうし、一万人もいたら変な考えを起こす(めちゃくちゃな採点をあえて行う)人も出てくるのではないかな。

何かを変えたり決めたりする時必ず賛成する人がいたり反対する人がいたりして議論がなされるものだけどこの記述式テストに関しては文部科学省以外の見識者や各社説などからの賛成意見が全く聞こえてこない。

見識者の意見

 

黒田麻衣子

入学試験は、学力の診断である。学力の診断という記述式の採点が素人にもできるというのは、医師の診断は素人にでもできると言っているのと同じである。診断は、マニュアルがあれば素人にもできると本気で考えているのか? 人の人生を左右する入試。その学力の診断を、この国は大学生のアルバイトにさせるのか?(抜粋)

十数年の公立高国語科教諭を経て、現在は兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科 言語系教育講座博士課程在籍。経営する高校国語専門塾では、毎年通塾生の大半を難関大に合格させている現役の指導者で

 

吉田弘幸

正解例や採点基準は事前に策定されるが、必ず出題者の想定しない解答も現れる。その場合には、新たに正解例を追加したり、採点基準を調整したりする必要があり、その決定を全採点者に周知しなければいけない。また、その時点で既に採点を終えた答案の再点検も必要になる。そのような作業を50万超の答案と1万単位の採点者に対して行うことはほとんど不可能だろう。(抜粋)

“入試改革”を考える予備校講師の会・代表世話人

河北新報デジタル・社説

記述式の出題に関して強い違和感が残るのは、採点業務に受験産業を担う企業グループが携わる点だ。受験教材の販売から大学入試の採点まで、一私企業のグループが関与するのは好ましくない。批判と懸念が寄せられるのは当然だろう。
問題や解答の漏洩(ろうえい)の危惧ばかりではなく、採点の公平性と正確性にも疑問が残る。業者側は「公平でぶれない採点を行う」としているが、採点者は学生アルバイトが中心となる。客観的な採点マニュアルを整備したとしても、やはり不安は募る。(抜粋)

・国語の記述式はマーク式(200点)とは別に採点

・国語の記述式は「正答の条件」をどの程度満たしているかにより、小問ごとに段階別で評価。記述式全体を5段階で総合評価

・数学は記述式・マーク式と合わせて採点・評価

自己採点にブレがあれば、志望校の選定にも大きく影響します。実際の得点が低いのに、高めに出してしまうこともあれば、その逆もあるでしょう。こうしたブレが受験生に利益をもたらすことはありません。

まとめますと、記述式には、総合評価という煩雑さ、採点ミスの高さ、自己採点のブレというリスクがあります。

この記述式についても、できるだけ早い時期に再検討の上、英語民間試験と同様、延期した方がいいと私は考えます。(抜粋)

石渡 嶺司・大学ジャーナリスト

沖縄タイムスデジタル・社説
公平性や公正さに、これだけの疑問が噴き出している以上、来年度の実施はあり得ない。混乱を避けるためにも、ここはいったん立ち止まり、見直しを決断すべきだ。
昨秋実施した試行調査では、補正が必要な採点ミスが国語で0・3%あった。受験者の1500人に当たる決して小さくない数字だ。

受験生は共通テストを受けた後、自己採点に基づいて出願先を決めるが、先の試行調査では、実際の採点と自己採点のズレが国語で最大3割に上った。

自分の評価が分からないまま合格可能性が低い大学に出願したり、二段階選抜で門前払いされる受験生が出るのではないか。

見直しとは別に、受験生を振り回し、混乱させた責任は取らなければならない。(抜粋)
朝日新聞デジタル・社説

情報漏れを危ぶむ声もある。準備のため、業者に事前に設問や正答例を示すことになっているが、それで試験の公正公平が保てるかとの懸念だ。

受験生や高校・大学の関係者の納得を得られる状況とは言い難い。このまま強行したらどうなるか。英語民間試験をめぐる曲折から、重い教訓を突きつけられたばかりではないか。

東北大の研究者らの調査によると、国立大の2次試験は既に設問の9割近くが記述式にあたる内容だという。共通テストと大学の個別入試でどう役割を分担し、入学後の教育につなげるか。その基本から議論し直し、制度を設計する必要がある。(抜粋)

ここに挙げた以外にも相当数の検索で意見を調べたがこの記述式に関して賛成意見を探すことは出来ませんでした。

最終的に見直しにならなければこの年に受験する生徒達は大人に振り回され人生の大事な選択を曖昧なものにされ気の毒としか言いようがありません…。

 

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