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赤十字病院って何?わかりやすく解説・他の病院と違うところ

  • 2020年2月18日
  • 2020年3月19日
  • 生活
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いたるところで目にする赤十字のマーク。そういえば震災の時にはよく見たような…。
赤十字病院ってよく聞くけど普通の病院と違うのかな?
気になったので調べてみました。

赤十字病院の成り立ち

1877年西南戦争では明治政府軍と薩摩軍が激しい戦いを繰り広げました。

両軍とも多数の死者やけが人を出し悲惨な状況となっていましたがその惨状をなんとかしなければ、と立ち上がったのが佐野常民さのつねたみ大給恒おぎゅうゆずるの両元老院議官です。
この両名は戦争や紛争時の傷病兵の救護の必要を感じヨーロッパにある赤十字と同様の救護団体を作りました。
それが博愛社です。

その後1866年(明治19年)に日本がジュネーブ条約に加入すると、共に翌1887年に名称を日本赤十字社と改称しました。

ジュネーブ条約

第1条約:
「戦地にある軍隊の傷者および病者の状態の改善に関する1949年8月12日のジュネーブ条約」(陸の条約)

第2条約:
「海上にある軍隊の傷者、病者および難船者の状態の改善に関する1949年8月12日のジュネーブ条約」(海の条約)

第3条約:
「捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーブ条約」(捕虜の条約)

第4条約:
「戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーブ条約」(文民保護の条約)

簡単に言うと紛争におけるすべての人民の保護に関する条約ですね。

 

赤十字マークについて知っていますか?

 

赤十字病院とは

白地に赤の十字のマーク、色んなところで目にするような気がします。
実はこのマークの使用に関しては法律で使用が制限されているようなんです。

赤十字マークは戦争や紛争で傷ついた人や救護者を守るための大切なマークです。戦争地帯などでこのマークがついた病院や救護者を絶対に攻撃してはならないとジュネーブ条約で決められています。
このマークは大きく目立つように使用されていますが大きさや色の濃さなどが厳格に決められていません。
なぜなら戦場において正確なマークが使用されることの方が難しいからです。
逆にこのマークの使用が正しく行わなければ赤十字に対する信用が失われ戦争や紛争時に適切に救護活動ができなくなってしまう恐れがあります。
このことから商品にイラストとして赤十字のマークを使用することはもちろん、一般の病院や薬局も使用できません。

平成16年に施行された「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」では武力攻撃を受けたなど有事の際には赤十字のマークを国が管理することになり救護に当たる一般の医療施設や車などにも使用が許可されることとなる

例外として赤十字のマークの使用が認められるケースがあります。
多くの人が集まる場所で怪我をした人や病気の人に無料で手当てをする救護所の場所を示すためにこの赤十字のマークを赤十字社の許可を得て使用することができます。

 

イスラム圏では赤十字を使わないのはなぜ?

イスラム圏では赤十字のマークを使いません。赤十字が無いのかといえばそうではありません。
赤十字がキリスト教を連想させる、ということからイスラム圏では赤新月というマークが使われています。

赤十字とは?

今まで使用されていた「赤十字マーク」、「赤新月マーク」の2つの保護標章に加えて、2005年12月5日〜8日にスイス・ジュネーブで開催されたジュネーブ条約締約国が参加した会議で、新たな保護標章が採択されました。
この標章は、「白地に赤いひし形」(赤水晶、赤菱:仮称)を配したもので、宗教的、政治的などいかなる意味あいも排した中立を意味しています。

 

玄関に謎の社員章

古い民家の玄関に赤十字を模したシールのようなものが貼ってあるお宅をみたことがありませんか?
筆者が小さい頃このシールをよく見ました。
なんだかちょっと怖かったことを覚えています。なんでわざわざ社員であることをお知らせするのかな?
なんか宗教チックだな、と。
しかしこれは本当の赤十字で働いているということではなく寄付を行った者に対して配布されるものだそうです。
昭和の頃などは地域を通して寄付をし各家庭でシールを貼っていたという時代があったようです。

普通の病院との違いは?

普段は普通の病院と変わらないようですが災害などが起こった場合、指定公共機関として救護班を派遣する準備を常にしているようです。
また海外で災害が起こった時には赤十字の医師や看護師が派遣されています。

日赤では、災害に備えて医療救護班(医師1人、看護師3人、運転手1人、事務管理1人:計6人)を常備し、研修や訓練を定期的に行っています。全国に495班、5,336名を養成しているので、いつでも迅速に被災者の救護活動にあたることができるのです。

さらに、日赤が考案したdERU(domestic Emergency Response Unit)という仮設診療所があります。建物がなくても診療所を開設できるエアーテントのほか、医療資機材188品目、医薬品65品目、簡易ベッドや貯水タンクなど21品目を装備した専用トラックに、医療救護班(助産師や薬剤師も加わる)が乗り込んで被災地に駆けつけます。1日150人程度の傷病者を3日間治療することができます。

まとめ

知っているようで知らない赤十字病院について調べてみました。
人道的立場で医療を支えている病院だったのですね。

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